ライフプラン

持ち家があるなら住み続けながら生活費の不足分を補えるかも

2018-11-22

プチ
いろいろ考えても、老後の資金の見通しが立たないよー
自宅が持ち家だったら「リバース・モーゲージ」っていう金融商品もあるらしいよ
みかん
とろ
それじゃあ、「リバース・モーゲージ」について一通りお話しするね!

 さまざまな手段を考え、できる範囲で十分に準備をしたとしても、どうしても「老後資金の不足」が解消できないという場合もありそうです。

準備をあまりしていないなら、なおさら「現金不足」に陥る危険性は大きなものになるでしょう。

そんなときでも、もし「自宅」を持っているなら「リバース・モーゲージ」を利用すれば、その「老後資金不足」を補うことができるかもしれません。

この記事では、「老後資金の現金不足」に悩む方のために、条件さえ揃えば「資金不足」を補える可能性のある「リバース・モーゲージ」についてお話をしてみることにします。

この記事を読めば、「リバース・モーゲージ」について一通りポイントを押さえることができて「老後の資金準備」の選択肢がさらに広がることになり、仮に「老後資金が不足」する場合でもそれを埋め合わせることができるかもしれません。

この記事を読んでほしい人

  • リバース・モーゲージに興味がある人
  • 老後資金の現金不足が心配な人
  • 持ち家や土地を所有している人
  • 老後資金準備が間に合わなかった人
  • 老後の資金準備の選択肢を増やしたい人
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まずは仕組みを把握

 「リバース・モーゲージ」とは、簡単に言うと、既に保有している自宅を抵当にして、現金の融資を受けるというものです。

融資されたお金を返済する必要がなく、死亡時に担保とした不動産を処分して返済に充当するため、ある意味で「自宅を年金の代わり」にできるとも言えます。

「毎月」(もしくは「毎年」)の「年金」という形で受け取る【年金型】以外にも、契約時に「一括一時金」として受け取る【一括借入型】、または貸付限度額内で「必要な時に必要額」を引き出す【枠内自由引出型】もあるようです。

メリットは、何と言っても「自宅に住みながら、老後の資金調達ができる」ということで、自宅を所有しているが貯蓄や現金収入が少なく、公的年金などでは生活費を賄えないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保するための手段として有効です。

最終的に自宅を手放す(ことになる可能性が高い)のは「売却」に似ていますが、契約の期間中はずっとその家に住み続けられるのが、単なる「不動産の売却」とは大きく違うと言えます。

また、資金の使い道は、事業性の目的を除き、生活費やレジャーなど、「基本的には利用者の自由」にすることができます。

老後の資金調達という視点からは少し外れますが、上記の通常の「リバース・モーゲージ」以外にも、「リバースモゲージ型住宅ローン」という新しいタイプも存在するようです。

これは、従来の「リバース・モーゲージ」のような「これまで住んできた自宅」を担保にするのではなく、「これから住むマンション」などを担保に入れるもので、物件価格のおおよそ半額程度までの融資が受けられ、元金は死亡時に対象物件と相殺します。

利息のみの返済で済むのは従来の「リバース・モーゲージ」と同じとなっています。

ちなみに、「モーゲージ」とは「抵当」「担保」のことで、通常のローンでは年月の経過と共に借入残高が減っていきますが、このシステムでは逆に増えていくので「リバース(逆)・モーゲージ」と呼ばれるようです。

「リバース・モーゲージ」の仕組みはアメリカには古くからありましたが、日本では1981年と比較的新しく、バブル崩壊のときには「担保割れ」するケースが非常に多く発生したため、民間金融機関のものは「高額不動産所有者に対象を限定」しているものなども多いようです。

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公的機関のものもある

「リバース・モーゲージ」は「銀行」「信託銀行」などの民間金融機関で扱うほかにも、「都道府県社会福祉協議会」などの公的な機関でも実施されているので、聞いたことがある方もいるかもしれません。

1981年、東京都武蔵野市で導入されたのを皮切りに、農村部よりは主に都市部の自治体が、直接(公的機関を通じて融資する)あるいは間接(金融機関を紹介する)の形で事業を行っています。

「都道府県社会福祉協議会」は、厚生労働省が、2002年12月より「長期生活支援資金貸付制度」の実施主体として創設し、のちに「不動産担保型生活資金」に制度改正されています。

公的機関の「リバース・モーゲージ」は、「返済の期待される生活保護」として位置づけられているのが、民間金融機関の「ローン・貸付の一種」という考え方との大きな違いになるかもしれません。

例えば「都道府県社会福祉協議会」のものは、「市区町村民税で非課税程度の低所得世帯」向けだと言えます(単身なら年収100万円以下が目安)。

融資資金の受け取り方にも制限があり、毎月数万円から数十万円ずつ受け取るという「年金型」しか選べなくなっていますし、そのまま自宅に住み続けるという条件も付けられています。

あくまで、「低所得者の老後の生活資金」向けの「リバース・モーゲージ」だと言えそうです。

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代表的な商品の内容

代表的な「リバース・モーゲージ」には以下のようなものがあります。

公的機関型の代表例

◆都道府県社会福祉協議会
【不動産担保型生活資金】

貸付限度額:「住居用の不動産(土地)評価額の70%」

契約時年齢:「原則65歳以上」

対象地域:「日本全国」

担保対象:「居住用不動産(土地・建物)」

金利:「年利3%」または「4月1日時点の長期プライムレート」のいずれか低い方を適用

民間金融機関型の代表例

◆東京スター銀行
【充実人生】

貸付限度額:「最高1億円(1戸建ての場合)」

契約時年齢:「55歳以上(配偶者ありの場合、配偶者の年齢が50歳を超えていること)」

対象地域:「戸建て住宅は日本全国」「マンションは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪市・京都市・神戸市」

担保対象:「マンション」「戸建て住宅」

金利:「年利3%」

民間金融機関型の代表例

◆みずほ銀行
【みずほプライムエイジ】

貸付限度額:「2億円以内」かつ「自宅の評価額以内」

契約時年齢:「55歳以上」

対象地域:「東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県」

担保対象:「マンション」「戸建て住宅(土地評価額が2000万円以上)」

金利:「年利3.475%(フリー口)」または「年利2.975%(目的口)」

現在、他にもたくさんの金融機関が独自の「リバース・モーゲージ」を実施していますが、条件を見ると民間金融機関のものは「契約時年齢は少し低く」していますが、「対象地域」や「担保対象」に比較的厳しい制限が付くという傾向があるようです。

やはり、最初に検討するのは「都道府県社会福祉協議会」実施の「不動産担保型生活資金」でしょうか。

これなら「対象地域」は日本全国ですし、「担保対象」についても、その趣旨から考えて民間金融機関のものよりは範囲が広そうです。

ただし、「契約時年齢が高い」のと、「住居用の不動産の土地評価額の70%」を限度に、「月30万円」までの範囲でしか貸し付けを行ってくれません。

例えば、自宅の不動産評価額が5000万円であるなら、その70%の3500万円が限度額の目安となります。

ちなみに、「プライムレート」とは、金融機関が最も信頼度の高い優良企業にお金を貸し出すときの「最優遇貸出金利」のことで、「1年以上」のものを「長期プライムレート」、「1年未満」のものを「短期プライムレート」と言います。

「住宅ローン」などの「変動金利」の基準レートとなっていますので、覚えておくといいかもしれません。

条件さえ合えば、他の公的機関や民間の金融機関の「リバース・モーゲージ」も積極的に検討することで、もっと「リバース・モーゲージ商品の選択の幅を広げる」ことができるでしょう。

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デメリットと注意点

便利そうな「リバース・モーゲージ」ですが、利用にあたっては以下のリスクを考えておく必要があります。

代表的リスク

◆「金利上昇リスク」
契約期間中に金利が想定以上に上昇すると、当初よりも借入残高が増加するため、予定より早く借入限度額まで達してしまい、資金の「受取り停止」となります。

◆「不動産価格下落リスク」
契約期間中に担保物件の評価価値が下落したため、返済時に担保物件の売却価値が借入残高を下回る「担保割れ」が発生すること。

契約期間中に不動産価値が下落して「担保割れ」が発生すると、その時点で「融資はストップ」してしまいます。

一般的に「リバース・モーゲージ」は、定期的(例えば5年ごと)に担保物件の市場評価額が見直され、特にデフレ下や不動産市場の低迷時に評価額が減額されると、新評価額と累積貸付残高に応じて受け取れる資金額が減少或いは停止する契約になっていることが多いと言います。

契約終了時に「担保物件の売却価値」が「借入残高」を下回ると、対象となる「不動産を手放して」なおかつ「借金が残る」ことになるので注意しなければいけません。

貸付側(銀行など)から見ると、「リバース・モーゲージ」が不良債権化することを防がねばならないので、上記のリスクは借主(利用者)側が負うことになります。

アメリカなどでは担保物件の価値の下落をリスク・ヘッジする保険商品があるようですが、日本にはありません。

◆「長生きリスク」
契約の満期を超えて長生きしてしまうこと。

契約の満期を超えて長生きすると、契約終了による生活資金の「受け取り停止」だけでなく、それまでの累積融資額を一括返済できなければ「住む家を失う」という二重のリスクがあります。

その他にも、一般的に言えば、利用にあたっては以下のような注意点があるようです。

利用上の注意点

◆年月の経過と共に借入残高が増えていき、残高に対する利息も「未払いのまま残高に複利的に加算」される。

◆通常、「契約満期時」(例えば契約から20年後)または「契約者死亡時」の「どちらか早い時期」に一括返済しなければならない。

◆契約者死亡の場合の返済義務は「保証人」または「契約者の相続人」が承継する。

◆返済時に現金で返済できない場合は、金融機関は抵当権を行使して担保物件を競売にかけて返済に充当する。

担保物件が競売されても回収金額が「借入額+累積利息」に満たない場合は、不足分の返済義務は「保証人」または「契約者の相続人」に承継される。

逆に、お金が残った場合は遺族に返還される。

◆契約終了時に「借入残高」と「累積利息」を返済しなければならないことは、通常の借金となんら変わらない。

本来、不動産をもとにした融資はあくまでも借主の返済能力などを基にした信用に対して貸し付けるものであり、借主は返済に励むことが期待され、担保物件の処分(抵当権の行使、競売など)は返済不能となったときに行われますが、

「リバース・モーゲージ」では、借主は返済を予定せず「最初から貸倒れを予定したローン」であるため、契約開始時の担保価値を超えた金額の貸付を行うことは絶対になく、

通常は発生する利息の累積高と将来の担保価値の下落の可能性を見越して「担保価値の半分~70%程度」が(累積利息を含めた)貸付限度額となります。

つまり、「累積利息」と「担保価値下落リスク」により、不動産評価額に対する融資額の「歩留まり」が「それほど良くない」と言えるかもしれません。

また、日本では比較的中古住宅市場が活発でなく「ウワモノ(=家屋)は無価値」という文化が根強いので、担保価値を認められるのが「土地のみ」とされる場合が多いようです

従って、「リバース・モーゲージ」は「土地付き一戸建て」を対象にするものがほとんどで、「マンション」などは対象とならないか、または条件が厳しい傾向にあります。

また、「リバース・モーゲージ」の仕組み上、日本独自の「家を子孫に残したい」という文化的価値観とも相容れない面があり、利用前に親子や夫婦でよく話し合っておくことが大切だと言えるでしょう。

「公的」か「民間」かを問わず、金融機関によっては子供との同居は認めないなどの制約条件もあるようですので、利用にあたっては対象の「リバース・モーゲージ」の内容を、関係者全員を交えて納得のいくまで吟味した方がいいかもしれません。

いろいろ注意しなくてはならないことはありますが、うまく活用すれば老後の心強い味方となってくれるかもしれませんし、使える現金が増えることが何よりありがたい場合もあります。

「リバース・モーゲージ」で借りた資金は、「生活資金の足し」にしたり、「老人ホームの入居一時金」の支払いに充てるケースが多いようですが、最近は住宅ローンの残債の支払いに使う人も増えているそうです。

「退職金で住宅ローンを一括返済」するというのはよくあるパターンですが、それでは手元にあまりお金が残らない結果となってしまいます。

そういう場合は「リバース・モーゲージ」でお金を借りて、住宅ローンの残りを返済すれば、退職金をまるまる確保しておけるため、老後の資金が少なくて不安だという人には、うってつけだと言えるかもしれません。

とは言いつつも、お金が足りなくなることがないように、あらかじめ手を打っておくことが大切なのは言うまでもないことでしょう。

「リバース・モーゲージ」は自分の資産を「殖やす」方法ではなく、「減らす」方法だということは頭に置いておくべきかもしれません。

「毎月の返済金は利子だけを支払えばいいからラク」という商品もありますが、その場合、長い期間「元金が減らない状態」になってしまうため、当然ですが、支払わなければならない「利息」がさらに増えてしまうことになりますし、満額借り切った後の経済的な状況は一層悪くなることが予想できます。

どうしてもそれしか方法がない場合は仕方がないかもしれませんが、ラクな方法で現金を作ることを考えるよりも、まずは「働いて資産を殖やす」ことを考えた方が、「選択肢を増やす」ことにつながっていくかもしれませんね。

ある程度まとまったお金があり、利息が付くまでの期間が待てるなら、「ロボット・アドバイザー」を使って資産を殖やすのも、「選択肢を増やす」ための有効な方法でしょう。

「資産を減らす」ことは、言葉を変えれば「選択肢を減らす」ということですから。

やはり「リバース・モーゲージ」は、少しカタチを変えてはいますが、土地を担保にした「借金」であることには違いないため、あくまで「最後の手段」だと言えそうです。

この記事のまとめ

    • 老後の資金調達が不足する場合、「リバース・モーゲージ」を利用するという手もある
    • 「リバース・モーゲージ」とは、持ち家の自宅を抵当にして、現金の融資を受けられる金融商品
    • 当面は自宅を手放すことなく資金が作れるが、契約満了時に自宅を売却して返済にあてる
    • 不動産の売却と違うところは、より手軽に資金が作れて、契約満了まで自宅に住み続けられる点
    • 本質的には土地を担保にした「借金」であることは、忘れないほうがいい

 

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